近年、都心部における気温が上昇する「ヒートアイランド現象」が生じています。その原因には「緑の喪失」「都市活動に伴う排熱」があります。

この現象の対策として、「屋上緑化」は非常に有効であり、平成15年度に行われた屋上緑化技術調査でも、屋上緑化によるヒートアイランド現象の緩和効果が確認されています。

 

屋上を緑化した場合、夏場屋上のコンクリート部分の温度は緑化していない場合より20℃以上低くなり、当然階下の温度も大きく違ってきます。クーラーの温度設定を1℃上げる毎に10％の空調エネルギーを節約できます。

 

【屋上緑化の効果】

●省エネルギー

屋根や屋上を緑で覆うことは、高い遮熱効果を生み出します。また、冬季には保温効果による暖房エネルギーの低減も期待できます。

 

●建築物の保護

酸性雨や紫外線を抑え、急激な温度変化の抑制にも効果を発揮し、建築物の耐久性向上にもつながります。

 

●防災

緑地特有の保水力を活用し、雨水の急激な流出を抑制することができます。

 

●都市気候の改善

都市独特の温暖化問題「ヒートアイランド現象」の抑制に効果を発揮します。都市全体を取り囲むことで、二酸化炭素の吸収、酸素の放出などによる大気浄化の効果が高まります。

 

●屋上からの「騒音の低減」「照り返しの防止」に効果を発揮し、都市生活者の植物の緑による心理的効果も大きく都市環境に潤いと美しさを提供します。